
ちゃんぽんから生まれた、汁なしの一皿
四海樓は、皿うどんを創業者・陳平順がちゃんぽんの変化形として考案した料理と説明しています。ちゃんぽん麺を焼き、具材と炒め、少なめのスープを麺へしみ込ませて平皿に盛る。現在、太麺皿うどんと呼ばれる姿です。
農林水産省も、当初の皿うどんはちゃんぽんと同じ太い麺を使った『焼きちゃんぽん』に近く、現在広く知られる細い揚げ麺のあんかけとは異なる面があると紹介しています。
なぜ『うどん』なのか
麺料理を椀や丼へ盛るのが一般的だった時代、汁の少ない麺を平皿で出す姿は目新しいものでした。四海樓は、平皿に盛られた汁なしの麺料理だったことが名前につながったと説明しています。
ここでいう『うどん』は、現在の和食の白いうどんと同じ料理という意味ではありません。太い麺を使う、皿に盛るという見た目から名づけられたと考えると、初めて聞いた人の戸惑いも理解できます。
細麺は、作りやすさから広がった
その後、麺を細くしてパリパリに揚げ、野菜、豚肉、魚介を含むあんをかける形が生まれました。揚げ麺を用意しておけば、食べる直前にあんを仕上げて盛れるため、家庭や多くの店へ広がりやすい方法でした。
細麺が全国で知られるようになっても、長崎では太麺が消えませんでした。二つは新旧の優劣ではなく、皿うどんが広がる中で枝分かれし、それぞれ定着した食べ方です。
歴史を知ると、注文の楽しみが増える
細麺は、揚げた香ばしさとあんで変わる食感が魅力です。太麺は、焼き目、具材のうまみ、少量のスープを吸った麺の一体感を味わえます。
長崎で皿うどんに出会ったら、細麺と太麺の両方を試してみる。ちゃんぽんから太麺皿うどんが生まれ、さらに細麺へ展開した流れを、舌でたどる体験になります。


